正式な熨斗紙とカジュアルな熨斗紙の違いについて
「カジュアルな熨斗紙を使っても失礼にならないの?」「どんなシーンなら使える?」と悩むことはないでしょうか?親しい間柄や友人に贈るつもりだけど、この場合はカジュアルな熨斗紙を使っていいのか、それとも無難に正式な熨斗紙で包むか…。
近年では様々な熨斗紙も登場しており、正式なもの・カジュアルなものの境界線も曖昧になりつつあります。ですが、熨斗紙は場面に応じて適切に使い分けることが大切。この記事では、それぞれの違いや適切な使い分けのポイントを分かりやすくご紹介します。
正式な熨斗紙とは?
正式な熨斗紙とは、フォーマルな場面で使用される熨斗紙のことです。格式を重んじる場面では、伝統的なデザインの熨斗紙を使うのがマナーとされています。
例えば、結婚祝いでは「寿」や「御祝」と書かれた熨斗紙が使われ、紅白の水引が一般的です。企業間の贈答では、取引先へのお中元やお歳暮、創業記念品などに正式な熨斗紙を添えることで、ビジネスマナーを守り、礼儀を示すことができます。また、公式な記念品としての表彰状や功労賞の贈呈、地域の自治体や団体が主催する行事の贈答品にも正式な熨斗紙が適しています。これらの、いわゆる「かしこまった」場面では、正式な熨斗紙を用いるようにしましょう。

正式な熨斗紙の特徴
- 装飾やイラストなどがなく、フォーマルな場面に適した格式のあるデザイン
- 表書き(御祝・寿など)の書き方にも注意が必要
- 結婚式、企業間の贈答、公式な場面で使用される
正式な熨斗紙を使うシーン
- 結婚祝い・結婚内祝い
- 会社の取引先への贈答品(お中元・お歳暮など)
- 公式な記念品(周年祝い・表彰式など)
- 弔事(黒白の掛け紙)
こうした場面では、格式を重んじた熨斗紙を用いるようにしましょう。
なお、正式な熨斗紙には様々なルールや慣習がありますが、近年では企業間や親しい関係性において、状況に応じた柔軟な対応も増えています。
例えば、会社のロゴ入り熨斗紙は、フォーマルな場面であっても一般的に受け入れられることが多く、特に企業間の贈答品では会社のブランドを表現する意味でも活用されています。ただし、ロゴのデザインが派手すぎたり、格式を損なう場合は避けた方が良いでしょう。
また、会社同士のやりとりであっても、カジュアルな雰囲気の関係性やイベントの場合は、少し砕けたデザインの熨斗紙を使うことも許容される場合があります。しかし、社交的な場面や取引先への正式な贈り物では、従来の正式な熨斗紙を選ぶ方が無難です。
親しい友人への結婚祝いの場合も、必ずしも格式ばった正式な熨斗紙を使う必要はありません。むしろ、相手の好みに合わせた柔らかいデザインやカジュアルな熨斗紙を選ぶことで、より気持ちが伝わることもあります。ただし、目上の人や伝統を重んじる家庭の場合は、正式な熨斗紙を選ぶのが望ましいです。
要するに、熨斗紙の選択は「TPO(時・場所・場合)」に沿っていれば問題ありません。贈る内容や時期、相手との関係性を考慮し、最適な熨斗紙を選ぶことが大切ですね。
熨斗紙の選択は「TPO(時・場所・場合)」に沿っていればOK。迷った場合は正式な熨斗紙で贈るようにしましょう。
カジュアルな熨斗紙とは?
カジュアルな熨斗紙とは、デザイン性があり、簡略化されたり、イラストが描かれている熨斗紙のことです。
フォーマルな場面ではなく、親しい人への贈り物や気軽なプレゼントの際に用いられます。近年では、熨斗紙も多様化しており、伝統的なものにこだわらず、カジュアルな用途に適したデザインのものが増えています。
伝統的な日本版のギフトラッピング、と考えるとわかりやすいかもしれませんね。

カジュアルな熨斗紙の利用シーン
カジュアルな熨斗紙は、さまざまな場面で利用されています。
友人や家族へのプレゼント
誕生日やちょっとしたお礼、お祝いの品などに添えることで、特別感を演出できます。
個人的なギフト
手土産やお返し、お中元・お歳暮など、フォーマルすぎない贈り物に適しています。
企業内のイベントやプチギフト
社内の記念品やキャンペーン用のプレゼントに、カジュアルな熨斗紙を使うことで親しみやすさを演出できます。
結婚祝い・出産祝いのカジュアル版
格式を重んじる正式な結婚祝いとは異なり、友人同士の気軽なギフトにはカジュアルな熨斗紙が適しています。
カジュアルな熨斗紙のデザイン・種類
カジュアルな熨斗紙は多種多様で様々なバリエーションがありますが、一例をご紹介します。
ポップなイラスト入り熨斗紙
花や動物、キャラクターが描かれた可愛らしいデザイン。
シンプルなモダンデザイン熨斗紙
水引を省略したり、控えめな柄を施したシンプルなスタイル。
英語やカジュアルな言葉が入った熨斗紙
「Thanks!」や「Happy Gift」などのフレーズが入ったデザイン。
カラフルな熨斗紙
ピンクやブルーなど、従来の紅白以外のカラーを使ったもの。
このように、カジュアルな熨斗紙はデザインの自由度が高く、贈る相手や場面に合わせて柔軟に選ぶことができます。特に若い世代や親しい間柄では、このようなカジュアルな熨斗紙のほうが喜ばれるかもしれませんね。
当サイトでもカジュアルな熨斗紙テンプレートを多数ご用意しています。
カジュアルな熨斗紙の特徴
- 水引が印刷されていることが多い
- イラスト入りやポップなデザインも使用される
- シンプルな色合いやカジュアルな書体が使われる
- 個人的な贈り物やカジュアルなシーンに適している
カジュアルな熨斗紙が使えるシーン
- 友人や親しい人への贈り物(プチギフト・誕生日プレゼントなど)
- カジュアルな贈答(ちょっとしたお礼・お返しなど)
- ビジネスでも親しい関係の取引先などに贈る場合
例えば、親しい友人へ出産祝いを贈るときは、カジュアルなデザインの熨斗紙を選んでも問題ありません。こちらも「TPO(時・場所・場合)」に沿っていれば問題ありません。しかし、ビジネス上の取引のみなど、ビジネスライクな取引先へお歳暮を贈る場合は、正式な熨斗紙を使用するほうが無難です。
正式な熨斗紙とカジュアルな熨斗紙の比較表
ざっくりとですが、それぞれの用途や特徴を表にまとめてみました。この比較表を参考にすれば、どちらを選べばよいかが分かりやすくなります。
項目 | 正式な熨斗紙 | カジュアルな熨斗紙 |
---|---|---|
使用シーン | 結婚祝い、企業間贈答、公式行事 | 個人的な贈り物、カジュアルなお祝い |
デザイン | 伝統的な水引(紅白・金銀) | 印刷水引・ポップなデザインもあり |
書き方 | 表書き・名入れなど厳密なルールあり | 比較的自由な書き方が可能 |
適切な場面 | フォーマルな場面(取引先・公式行事) | 親しい間柄の贈り物や個人的なお礼 |
「相手との関係性やシーン、贈る品」が正式なのかカジュアルなのかの分かれ目と言えます。たとえ親しい間柄であっても、かしこまったシーンで結婚祝いを渡す場合は正式な熨斗紙で。後日にプチギフトやお祝いを個人的に贈る場合はカジュアルで構いません。
熨斗紙の使い分けポイント
これまでにも書いてきましたが、関係性やシーン、贈る品により使い分けることが良いです。明確な基準がなく曖昧と思われるかもしれませんが、「受け取る相手がどう思うか?」「そのシーンで渡して違和感はないか?」を考えるようにしましょう。どちらか迷った場合は、正式な熨斗紙で贈るようにすると間違いありません。
フォーマルな場面では正式な熨斗紙を使用する
企業間の贈答品や公式な贈り物では、格式を重んじた正式な熨斗紙を選びましょう。
親しい間柄ならカジュアルな熨斗紙もOK
家族や友人へのギフトなら、イラスト入りやポップなデザインの熨斗紙を使っても問題ありません。ただし、正式な場では従来の熨斗紙で贈るようにしましょう。
迷った場合は正式な熨斗紙で
どちらを使えばよいか迷った場合は正式な熨斗紙にしましょう。カジュアルな熨斗紙は、あくまでカジュアルなシーンにのみ使える熨斗紙です。
まとめ
どちらの熨斗紙も、用途に応じた使い分けが大切です。正式な熨斗紙は、フォーマルな場面や格式を求められるシーンで使用され、伝統的なデザインやルールに従って作られています。一方、カジュアルな熨斗紙は、親しい人への贈り物や気軽なプレゼントの際に用いられ、デザインの自由度が高く、ポップなイラストやシンプルなスタイルが取り入れられています。
熨斗紙を選ぶ際には、贈る相手や場面を考慮するようにしましょう。たとえば結婚祝いや企業間の贈答品には正式な熨斗紙が適していますが、友人へのプチギフトやカジュアルなお礼には、より柔軟なデザインの熨斗紙を選んでも問題ありません。また、近年では企業のロゴを入れた熨斗紙や、英語のメッセージが添えられたものなど、さまざまなスタイルの熨斗紙が登場しており、シーンに応じて適切なものを選ぶことができます。
どちらを選ぶか迷った場合は、正式な熨斗紙を選ぶのが無難です。正式な熨斗紙であれば、どのような場面でも失礼にあたることはありません。TPO(時・場所・場合)を意識しながら、最適な熨斗紙を選びましょう。
- 結婚祝い・企業間贈答・公式行事 → 正式な熨斗紙を使用
- 個人的な贈り物・カジュアルなお祝い → カジュアルな熨斗紙もOK
- デザインが派手すぎるものは、フォーマルな場面には不向き
熨斗紙は品物も気持ちも包んでくれる、日本の素敵な贈答文化です。シーンに応じて適切に使い分けることで、相手に対する気遣いやマナーを伝えることができますね。