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熨斗と水引の正しい使い分け

熨斗と水引の違いと正しい使い分け方

贈り物をする際に欠かせない「熨斗(のし)」と「水引(みずひき)」ですが、正しい使い分けやマナーに迷う場合も多いのではないでしょうか。

「結婚祝いに花結びの水引を使ってしまった…」「お中元に熨斗付きの包装をしたけど問題ない?」など、熨斗と水引のマナーを誤ると、相手に失礼になることもあります。
また、お中元やお歳暮で生臭物を贈る場合や弔辞の場合は、熨斗無し水引のみを使用します。もし異なる熨斗紙で贈ってしまうと、誤解を招く場合も。

基本的に当サイトではそれぞれに適した形の熨斗紙をご用意済みで、そのままダウンロードいただければ問題なくお使いいただけます。
ただ、「マナーが心配…」「これで合ってる?」などの場合に、本ページの内容をご活用ください。

熨斗と水引の基本知識から、シーンごとの適切な選び方まで詳しく解説します。

シーンに応じた熨斗と水引の組み合わせの例

まずは、よくあるシーンの組み合わせ例を作ってみました。それぞれの用途に合った熨斗と水引を選ぶことで、マナー違反にならず適切に贈ることができます。

シーン 水引 熨斗 主な用途
一般的なお祝い・お礼 花結び 両折熨斗または片折熨斗 出産祝い、長寿祝い、昇進祝い、お礼など
お中元・お歳暮 花結び 両折熨斗(生臭物の場合は熨斗なし) お世話になった方への贈答
快気祝い 結切り 両折熨斗 病気やケガが治ったお礼として贈る品
お見舞い 結切り 熨斗なし 病気やケガで入院している方への見舞い品
結婚祝い 結切りまたはあわじ結び 飾り熨斗 結婚祝い、引き出物
弔事 結切り(黒白・藍銀・黄白) 熨斗なし 香典、法事の引き物
記念品・景品・粗品 赤棒 判熨斗・松葉熨斗・文字熨斗・わらび熨斗 記念品、イベントの景品

生臭物を贈る場合の注意点

お歳暮やお中元などで「ハム」などの食品を贈る場合は注意。肉や魚などの生鮮食品を贈る場合は、熨斗を付けないのがマナーとされています。
理由として、熨斗の由来である「熨斗鮑」が「生ものを添える」意味を持つため、生臭物に熨斗を重ねることは避けられています。

生臭物を贈る際のポイント

  • お中元・お歳暮で生鮮食品を贈る場合は、熨斗なしの包装が一般的。ただし、相手先の習慣によって異なる場合もある。
  • 郵送する場合、要冷蔵の品を通常便で贈るのはNG。

弔事の注意点

弔事では、熨斗を付けないのが基本です。熨斗は本来、慶事に使用されるものであり、弔事に添えるのは適切ではありません。
代わりに、水引を結切りの形式で用いることで、故人を悼む気持ちを表します。
特に、仏式では黒白や藍銀、神道では黄白の水引が使われることが一般的です。キリスト教では、水引を使用せず白いリボンなどを添える場合もあります。地域や宗派によって違いがあるため、迷った際は事前に確認するのが望ましいですね。

弔事の水引の選び方

宗教・宗派 水引の色と結び方
仏式 黒白・藍銀の結切り
神道 黄白の結切り
キリスト教 白一色または水引なし

迷った場合は「熨斗なし 藍銀結切り」を選ぼう

「御霊前」の熨斗なし藍銀結切りは、仏教・神道・キリスト教問わず、幅広い場面で利用できます。相手方の事情や宗教・風習がわからない場合に、一番無難な形式です。迷った場合は「藍銀結切り」を使うようにしましょう。

その他、気をつけたいポイント

  • 地域や家のしきたりに従う:地域ごとに異なるマナーがあるため、可能であれば贈る相手の習慣を事前に確認し、尊重することが大切です。
  • 事前に相手方に確認する:特に宗教・宗派による違いがある場合、事前に確認を取ることで失礼を防ぐことができます。
  • 熨斗なしを基本とする:どの宗派でも共通して、弔事では熨斗を付けません。水引の色と結び方を適切に選ぶことが大切です。

お見舞いや快気祝いの注意点

お見舞いや快気祝いでは、熨斗と水引の選び方が異なります。お見舞いは、相手の病気や怪我が一日でも早く回復することを願う意味が込められた贈り物です。そのため、水引は結切りを使用し、熨斗は付けません。これは「繰り返さない」という意味を持ち、病気やけがが再発しないようにとの願いが込められています。

一方で、快気祝いは「病気が治ったことを報告し、お世話になった人へ感謝を伝える」贈り物です。この場合は熨斗を付け、結切りの水引を用いるのが一般的です。病気が完全に回復したことを示すため、品物は消え物(食品や石鹸など)を選ぶことが推奨されます。

お見舞いの際のマナー

  • 熨斗:お見舞いの際には基本的に熨斗は付けません。熨斗は祝事に用いるもののため、病気や怪我の際には避けるのがマナーです。
  • 水引:お見舞い品には「紅白結切り」を使用。結び切りは「繰り返さないように」という意味があり、病気や怪我の再発を防ぐ願いが込められています。
  • 表書き:表書きは「御見舞」や「お見舞い」と記載します。毛筆や筆ペンで丁寧に書くのが理想的です。
  • 贈る品:消耗品や軽い食べ物(果物・ゼリー・お茶など)が好まれます。ただし、生ものや強い香りのあるものは避けましょう。また、「病が長引く」「寝付く」ことを連想させるような鉢植えの花も不適切とされています。
  • タイミング:面会可能な時間を事前に確認し、相手の負担にならないタイミングで訪問するのがマナー。長時間の滞在は避け、短時間で済ませましょう。
  • 注意点:病状によっては面会や贈り物を控えるべき場合もあるため、家族や医療機関に確認してから訪問することが大切です。

快気祝いの際のマナー

  • 熨斗:快気祝いでは喜びや感謝の気持ちを表すために熨斗を付けるのが一般的。熨斗は本来、祝儀や慶事に用いられるもので、回復の喜びを伝えるのに適しています。
  • 水引:結び切りの水引を使用。結び切りは「一度きりで終わる」という意味を持ち、病気や怪我が再発しないよう願う気持ちが込められています。
  • 表書き:表書きは「快気祝い」「全快祝い」「御礼」などが一般的。これらの表現は、回復したことへの感謝と報告の意を示しています。
  • 贈る品:食べ物や日用品など、形に残らないものが好まれる。これは、「後に残らない=病が後に残らない」という意味合いがあり、縁起が良いとされています。
  • タイミング:退院後、または職場復帰後、なるべく早い時期に贈るのがマナー。遅くとも1ヶ月以内にはお渡しするよう心がけましょう。
  • 注意点:相手に気を遣わせないよう、高額ではなく手頃な価格の品物を選ぶことが大切です。

まとめ

一見複雑に感じるマナーや作法ですが、使い分けの理由や意味を知ると、より適した形で贈ることができるようになります。
贈答品に熨斗を付けるかどうか、水引の結び方や種類をどう選ぶかは、相手への敬意や心遣いを表す大切な要素ですね。
日本の贈答習慣は「品物だけでなく心も贈る文化」であることを考えると、熨斗や水引の使い分けも納得できます。

覚えておきたい点として、「生鮮食品を贈る際には熨斗を省き水引のみを使用する」「弔事では熨斗を付けずに結切りの水引を選ぶ」など、マナーの違いがあります。また、お祝い事には花結びの水引を使い、結婚祝いや快気祝いなど「繰り返してほしくない」場面では結切りを選ぶことが基本です。

熨斗や水引の選び方がわかれば、さらに相手に心から喜ばれる贈答ができるようになりますね。

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